ちとせの取り組み 【湯治豚】

当宿では自然エネルギーを活用した食材として、地元のブランド豚肉を温泉の地熱を利用した低温調理で仕上げる「湯治豚」をご提供しています。湯治豚のベースとなるのは、新潟県十日町のブランド豚「妻有ポーク」。無薬飼料で育ち、抗生物質を与えないで育てられる「妻有ポーク」は、健康的な肉の色の良さ、肉質の柔らかさ、その美味しさが高く評価されています。

脂身は純白で甘みがあり、融点は「32°」と低いため口に入れると自然にとろけるような食感（一般的な豚肉の融点は38℃前後）。赤身は程よい歯ごたえの柔らかさで、臭み・えぐみがなく、ジューシーな旨味がぎっしりと詰っています。一般的な豚肉の約10倍のビタミンEが含まれているため 抗酸化作用による「熟成」が施され、より一層のやわらかさと甘みの広がりを実現しています。

この「妻有ポーク」の最高峰となる熟成肉「越乃紅」を真空パックにして、63～68度の松之山温泉の源泉の温泉熱で２時間ほど低温真空調理したものが「湯治豚」です。タンパク質は63℃から凝固が始まり68℃から水分を分離し始めますが、低温真空調理であればこの分水作用が始まる温度以下での調理が可能となります。低温でじっくり加熱することで、しっとりとした肉の柔らかさを楽しんでいただけます。

松之山の位置する新潟県・十日町市では、2026年までに消費電力の30%を再生エネルギーで賄う目標を掲げています。その一環でもある 「松之山温泉合同会社 地・EARTH」が運営する発電所「コミュニティ発電 ザ・松之山温泉」では、源泉から出る毎時1.7トンの蒸気と、毎時30トンの湯の熱を使って毎時210kw、年間124万kwの電力を作り出すことに成功しています。98℃もの高温で自噴する源泉は、発電後でも約１キロ離れた温泉街に70℃を越える温度で供給されているため、「湯治豚」はこの熱を利用して低温調理されています。

「ひなの宿 ちとせ」ご夕食の名物メニュー「湯治豚」。料理人がお客様のテーブルの傍までワゴンで運び、一枚一枚丁寧に切り分けながら特製ソースをかけてお出しいたします。湯治豚の堪えられない旨みと、ジューシーな身の柔らかさをぜひ確かめてみてください。

「ひなの宿 ちとせ」の食事処「松之山郷」のランチメニュー「湯治豚重定食」。魚沼産コシヒカリの上に敷き詰められた湯治豚と、甘辛い特製だれとの相性が抜群です。

「ひなの宿 ちとせ」の運営する「湯治BAR 松之山温泉」の人気メニュー「地元食材の薪釜料理」の一品。薪の火力が肉の旨みを最大限に引き出してくれる「湯治豚スペアリブワイルドグリル」。

徹底した衛生管理をはじめ、栄養バランスに徹配慮した飼料など生産者の努力が結晶した「妻有ポーク」。松之山の山間の発電所で生み出される地熱を利用した再生エネルギー。自然の力を活用した「ここにしかない美味しさ」をぜひ確かめてみてください。

7-2／2030年までに、エネルギーをつくる方法のうち、再生可能エネルギー※を使う方法の割合を大きく増やす。
12-2／2030年までに、天然資源を持続的に管理し、効率よく使えるようにする。